◆523日目(2)

オレの理想のステッピングはというと、まあ、誰でもそうなんだろうが、こう、軽やかにシュタタタッっとステップを刻むようにスタイリッシュにやりたいわけなのである。こういうとき、「やっぱオレの理想は○○みたいなステッピングだな！」とか、「いやいや、△△△の□□のビデオのルーチンでやってるステッピングが最高なんだって！！」とか言えればカッコいいんだろうが、ダメなのだ。ビデオとかあまり見ないし、見ても人の名前とか、ビデオの名前とか覚えないし。忘れちゃうし。そんなオレが頭に浮かぶ、理想のステッピングは？というとルパン三世である。ルパンがよく、敵に機関銃で銃撃されて「ありゃりゃ　ありゃりゃ」とかいいながらガニ股であわてて物陰に隠れるシーン。ああいった動きがオレの理想のステッピングなのだ。

◆523日目

ステッピングにはまっている。メシ食って、着替えて、ステッピング。準備運動もせずにステッピング。１０回目くらいでやっと思い出したようにちょっと抜け始める。慌ててバタフライ。リップォーク完成！！アーーー気持ちいい・・・・てな感じで調子にのってたら、ちょっと雲行きが怪しくなってきてしまった。なんだかコツが逃げて行くような感覚に襲われた。オレがやっているのはステッピングじゃないような気がしてきてしまったのだ。「ぬ」という字を延々と書いていると「ぬ」の読み方が本当に「ぬ」だったのか分からなくなってしまう、という例のアレである。「ぬ」ならまだしも、なにやら得体の知れない古代文字のような気さえしてくる。オレが喜んでサルのように繰り返しているこのムーブはステッピングなんかではないのではないか。いや、それならまだ良いのだが、あ、うわ。

え？

スラーリー・・・？・・・！


ぎゃあああああああ