Archive for 28 June 2005

28 June

◆819日目

JFC2004から早6ヶ月。JFC2005の開催も決定し、今から大変楽しみだ。しかしこの半年間、ずうっと後悔している事がある。

あの時、ウェルサンピアなにわの体育館に一人、初老のおじさんが混じっていたのをご存知だろうか?
いかにも蹴り難そうなpumaの靴を履いて、隅っこで黙々とインサイドキックを繰り返していたその人に、私は話しかけることをしなかった。今でも時々思い出してはため息をついている。

あの時、私は少し遅れて会場に入ったため、競技スケジュールの確認やら、仲間と夜の予定についての打合せやらで慌しく時間をすごしているうちに、彼はいなくなってしまった。いや、すべては言い訳である。

「あとで話しかけてみよう」「このサークル蹴りが終わったら彼を探してみよう」・・・と後回しにしているうちに、気が付くと彼はもういなかった。

もしかしたら、彼は、フットバッグ日本初上陸時代を知っている大先輩だったかもしれない。
もしかしたら、彼は20年前にアメリカ留学してて、そのとき仲間と楽しんだハッキーサックを懐かしんで一人でやってきたのかもしれない。
もしかしたら、彼はCIAの元情報部員で、冷戦時代に潜伏していたチェコスロバキアでの禁断の恋の相手から20年ぶりに手紙が来て、彼女の息子がフットバッグなるスポーツで世界一になっているという話を知り、一人大阪にやってきたのかもしれない。

あのまま、誰とも会話せず、ひっそりと会場を後にした彼の事を考えると申し訳なくてたまらなくなる。というより、彼は、私だ。もし自分が逆の立場だったら、二度とフットバッグのイベントに顔を出すことはないだろう。

JFC2005では、こういう後悔だけは二度としたくない。今の私にフットバッグの振興を語る資格はない。あのおじさんは今年もきてくれるだろうか。ダメだろうな。
23:56:56 | komb | 4 comments | TrackBacks