Complete text -- "◆558日目"

14 October

◆558日目

風邪をひいた。のどが焼けるように痛かった。
だが蹴った。俺にはそれしかなかった。
どうやら熱もあるらしかった。
朝から頭が全く回らなかった。
しかし、迷う事無くオレは蹴った。
薄汚れたバッグをいつものように蹴り続けた。
そうやってこの一年間、腐った会社生活を塗りつぶしてきた。
変わらない。変わるつもりもない。
オレは呪詛の言葉をつぶやきながら黙々と蹴った。
ふと窓を見ると、くたびれた中年男の姿があった。
汗だくで、無精髭をはやした薄汚れた中年男がこっちをむいて嗤っていた。
窓に映った自分の姿だと気付くのにしばらく時間がかかった。


というわけで、また馳星周を読んでいる。いやー。やっぱり面白いなあ。今度のも最高っすわ。超ダーク。雪月夜。
01:03:54 | komb | | TrackBacks
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